こんにちは、さやかです。
「よく噛んで食べなさい」
子どもの頃に親から、
よく言われた言葉ではないでしょうか?
そして、
自分自身も親になって、
子どもたちによく言っている。
最近、
この「よく噛むこと」は、
単なる「消化の助け」だけでない、
ことを実感しています。
今回はそんなことについて、
お届けしていきたいと思います。
マインドフルに食べること
よく噛むためには、
「今、まさに食べている」
ということを、
しっかりと意識しなくてはなりません。
噛むことに意識を向ける時、
口の動きや口の中の感覚が研ぎ澄まされ、
食べる時間は、
とてもマインドフルな時間になる。
「口に入れて数回噛んでごっくん」、
では感じられない繊細な気づきを、
しっかり噛むマインドフルな食事では、
味わうことができるのです。
例えば、
様々な器官が動いて、
食べ物が小さな分子となって、
消化吸収され便になるということ。
化学反応を起こしながら
エネルギーを作り出し、
今の生命を維持していること。
または、
私たちの生命は、
どれだけの数のシステムや、
その構成メンバーたちに支えられて、
今ここに身体があるのか。
身体を作っている栄養素となる食事には、
どれだけたくさんの人の手が携わっていて、
どれだけの「命」を日々いただいているのか、
など。
一食を適当に流して食べるのではなく、
ていねいに感じていく時、
「こころ」と「からだ」が喜んでいる、
という感覚があります。
食べることで生きていること、
つまりは生かされていることを知ることで、
何事にもやさしく、
謙虚になれるように感じます。
生き急ぐ心に気づく
アーユルヴェーダでは、
噛む目安は30-40回とされてるため、
私もその位を目安にしています。
この回数を噛むとなると、
やはりそれなりに、
食べることに時間がかかります。
なので、
自然な流れとして、その間に、
「箸を置く」ことになる。
食べる間に箸を置くことは、
「所作としてそうすると良い」、
という認識でしたが、
「よく噛むこと」を暗喩していたのか、
と理解できました。
こうして、
箸を置きながら食べるようになると、
これまで、どれだけ急ぎ足で、
駆け込むように食べていたのかに気づきます。
噛む前に飲み込んで、
飲み込む前に次の一口を運んで、
まだ口の中に残っているのに
次の一口を詰め込んで…
今の時代、
こんな食べ方をする人、
少なくないのではないでしょうか。
これはまさに、
「早さ」や「効率」に囚われた、
生き急ぐ現代社会の縮図の様だな、
と感じました。
例えば、
・早くやり終えた方がいい
・同じ時間にたくさんできた方がいい
・道のりよりも結果重視
みたいな考え方の傾向。
ゆっくり噛む「間」があることで、
急ぐことで、見落としていたことに、
気づけるようになります。
本当に大事なことは何なんだろうか?
ゆっくり噛んで食べることは、
そんな人生観を考えるきっかけにもなりました。
ちなみに、
「よく噛む」ことを続けていると、
面白いことに気づきます。
・噛んでいる途中で飲み込みたくなる!
・気づいたら飲み込んでいた!
・早く食べて違うことをしたい衝動!
といった、自分のクセ。
生き急ぐことが染みついていて、
生き急がずにはいられない状態だと分かります。
そんな時は、
何度も意識を向け直しながら、
生き急ぐ心をなだめる練習を重ねていく。
食卓には、
私たちの生き方そのものが、
正直に映し出されているのですね。
おわりに
「よく噛んで食べる」なんて、
・なんとなく面倒臭い
・不調もないのにやる気にならない
・とりあえず早くお腹を満たしたい!
と思うかもしれません。
私もそうだったのでよく分かります。
でもこれは、
「自分にやさしさを注ぐ練習」、
でもあることをお忘れなく。
自分を丁寧に感じていくことは、
結果的に自分を受け入れて生きる土台、
につながっていきます。
自分にとってのメリットを意識しながら、
まずは1週間から、やってみてください。
では、また!

